退職の気配を感じ取る時、いつも考える。理由はなんだろう?

明らかにわかる時もあるし、ちょっと心当たりないなぁという時もある。退職する時に聞いたところで本心など聞けるわけないので、決して聞かないのだが、「あれがこうなって、こういう風に影響してやめるのかな」などと考えるのは嫌いではない。(うんうん、とうなづける人は少ないだろう)

さて、やめる時の理由は大きく分けて2種類あると考えている。一つは「院長が原因」、もう一つは「院長以外が原因」。今回は「院長が原因」について話したい。

給料や休みなどの条件面

私は開業医で、スタッフを雇用する立場にある。そのため、スタッフの給料、休み、業務内容などの「働き方」を決めるし、クリニックという組織の方向性も決める。

さて、給料や休みなどは私が決めるようで、実は私が決めている要素はほとんどない。給料と休みが決まるとおのずと時給単価が出てくる。その時給単価というのを決めるのは雇用主ではない。相場だ。

大体、看護師でこれぐらい働いていたらこれぐらい、事務でこれぐらい働いていたらこれぐらい、というのが私が決定するまえにすでに決まっている。もちろん、相場は動くので、それに合わせなければならないのだが、日本では上げた給料を下げるのは難しい。というか無理である。そのため、給料を急激に上げるということはほとんどない。

給料が上がるのは、相場が上がる時だ。相場に合わせてあげないと、自分の職場から人材が流出し、そして新しい人材を雇用することができなくなるのだ。

そのため、給料や休みが原因でスタッフが退職する時でも、給料や休みを相場に合わせて変動させることができていたら院長は原因ではない。(他業界への転職する場合が多い印象である)

給料や休みが原因で、相場に合わせて変えられていなかったらそれは院長が退職の理由である。

方向性

先ほども述べたように、院長はクリニックの方向性も決める。これは非常にカラーの分かれるところで、院長の性格が現れやすい。

これが原因となることもある。

今、まさに退職の気配を感じているのはこの方向性である。院長が示すクリニックの方向性にスタッフが疑問を感じ始めているように感じるのだ。

通常、入職時には、基本的にまっさらな状態で入職する。(そうではない人も一定数いるのだが、ここでは置いておく。)そして、クリニックの仕事などを覚えていく中である程度のクリニックの方向性などを肌感覚で感じ、その職場に慣れていく。

しかし、組織というのは時に変化する。診療報酬改定のような組織外の影響を受けることもあるし、組織に属する人間の変化も影響することがあるだろう。そして、その変化を作るのはたいてい院長だ。だって組織の内であろうが外であろうが、影響を受けて方針を決定するのは院長なのだから。

その時、「まぁそんなもんかな」と思える人もいれば、「えー…」と違和感を感じる人も出てくる。最初はわずかな違和感でも、だんだん大きくなる。時間が経つほどに、大きくなり、勤務態度にもそれは現れてくる。

他スタッフへの対応が変化したり、今まで気にも留めなかったようなささいなことで苛立ったりするようになる。そうしていつしか職場への不満を溜め込み、最終的に退職する。

レベル

まぁすべては院長の頭の中で描かれた空想である。実際は違うかもしれない。でも、院長の示したクリニックの方向性、それによって生じる組織の変化、わずかに生じた「違和感」。これが時間経過とともに大きくなり、退職につながるというパターンは間違いなくあると思っている。

「組織が成長する時は退職者が必ずでる。組織のレベルにあった人材が集まるようにできている。」そんな話を聞いたことがある。私もそう思う。院長が打ち出した方向性でクリニックのレベルが上がり、スタッフが入れ替わっていくのは良いことだ。

問題は、レベルが上がっているのか、下がっているのかが、院長にはわからないことである。正直、本当にわからない。経営者として未熟なのだろうが、こればかりは結局自分を信じるしかないのである。

退職者が出る時はこんなことを考えながら、負け惜しみかなぁ、とか思いながら、次の人材を探しにいく。

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たぬき
釣りが趣味のアラサーです。外房ヒラマサ、サーフ、湾奥シーバス、芦ノ湖のレイクジギングなどなど。好きな言葉は「コスパ最強」。2級小型船舶免許、PADI AOW持ってます^^ twitterもやってます。ぜひフォローしてください^^