開業医がバイト医に求むスキル
私のクリニックでは自分が医師とした勤務するのはもちろん、自分以外の医師にも勤務してもらっている。いわゆるバイト医というやつだ。
本業で別に常勤として働く勤務先がある人もいれば、バイトのみで生計を立てている人もいる。それは別に気にしていない。バイト医だからひどく質が低いというのはあまり感じたことがない。ただ、バイト医で評判の良い医師は大体数年以内に開業することが多い印象だ。
さて、今回はバイト医に対して、開業医が求めるものをここに書いていきたいと思う。なぜかというと、最近バイト医の雇用に難渋しているからだ。雇用に難渋というより、雇用後の管理に難渋していると言った方が良いかもしれない。
①遅刻をしない
そんなの普通だろと思うかもしれない。しかし、意外と遅刻しないで勤務先に来てくれる医師は少ない。医師という職業は常に緊急的な対応を求められる。しかも人命に直結することも多い。「緊急対応で遅れる」ということは日常茶飯事だ。しかも、人命に関わる緊急対応で遅刻した人間を強く叱責する人はほぼいない。そのため、だんだんと遅刻に対する感覚が麻痺してくるんだと思う。
遅刻しないで勤務する、ということができるだけで相当優秀な医師として扱ってもらうことができるだろう。
②勤務キャンセルをしない
勤務前日や勤務当日に突然、本日行けませんと言い出すものが多い。理由は本人の体調不良だったり、子供の体調不良だったり、色々だ。だが、理由など関係ない。勤務キャンセルをすると、開業医としては「またキャンセルするかも・・・」というのが頭にチラつくのである。そうなると、ほぼ同時に応募してきた医師で比較対象となった時にどうしても選ばれにくくなる。
遅刻しない、ドタキャンしないという人としてごく当たり前のことのように感じるかもしれないが、このようなことをコツコツと積み上げられる人は本当に強いと思う。
③変な治療をしない
これもたまにある。もしかしたら自分の感覚がおかしいのか?と思うこともあるぐらい頻繁にある。もちろん、医師も人間なので、微妙に治療内容が異なることはある。これは良い。しかし、明らかに変な、クセの強い治療や説明を行っていると、正直ウッとなる。開業医的な目線で言うと「雇いにくい」という表現がしっくりくる。
ただ、判断が難しい。自分も開業医になってから可能なかぎりアップデートするようにはしているが、どうしてもガラパゴス化してしまう。昔の同僚や、自分の出身医局ではない同じ診療科医師に相談できる環境は必要だろうなと思う。
世間の正しい治療、一般的な治療とずれないようにしていくのも開業医の大事な仕事だ。
④接遇
これが非常に大きい。ただでさえ、非常勤の場合は多くても週2日程度。少ないと月に数回程度の勤務になることも少なくない。となると、患者側から見るといつもと違う医師ということで患者さんは少し身構える。
患者さんからの抜群の評価は正直求めていない。もちろん、抜群の評価を得られて困ることはないのだが、抜群の評価の人はバイトを続けることはあまりなく、そのうち自分自身で開業することがほとんどだ。
良い評価を連発するというよりは、悪い評価を生まないような勤務が理想的。(結構難しいんだけどね)
ということで、開業医がバイト医に求めるスキルは、遅刻せず、ドタキャンせず、極端な治療をせず、接遇が悪くない医師。
専門医の有無については私は気にしていないが、専門医がなくて、上記を満たした医師は出会ったことがない。専門医制度は賛否両論だが、ある程度機能しているのだろう。
