今、Xでは365日診療する小児科クリニックが話題だ。

発端はとあるアカウントが知人の小児科開業医が閉院したことをポスト。閉院した理由は365日診療する小児科クリニックだったそう。

これに対して、さまざまなアカウントが365日診療する小児科クリニックについてポスト。

  • 365日診療なんて診療クオリティ低すぎて話にならない
  • 地道に診療を続けてきた開業医が巨大資本にやられて可哀想
  • 365日診療なんてただの制度ハックで公金ちゅーちゅー許せない
  • いやいや、診療クオリティはそこまで悪くないよ?
  • 365日やっててくれて本当に助かった

などなど、賛否両論。

医療関係者からは否定的なポストが多い印象かな。

で、意外と多い意見が、

「風邪などの急病や予防接種などは365日診療するクリニックで、定期的に診てもらう必要があるアトピー性皮膚炎や気管支喘息などは同じ医師が診察する昔ながらのクリニックへ受診するのが良い」

というもの。特に、小児科医(多分勤務医)がこのようにポストしていた。

・・・アホか?アホなのか?

同じ外来でも医師がクリニックで診察した時に得られる診療報酬には、「初診料」と「再診料」がある。(これ以外にも付随する加算があるが、話を簡単にするため今回は省く)

小児科クリニックの場合、6歳以上は初診料291点、再診料76点。小児科外来診療料を算定している場合は6歳未満は初診料604点、再診料410点。つまり初診料を取れる患者が高単価となる。

ここで、初診料と再診料についてだが、初診料というのは、そのクリニックを一番最初に受診した時だけに算定できる点数ではない。前回受診時の病気が完治して、また別の病気にかかって受診する場合には再度初診料を算定することができる。

逆に、前回受診した時の病気がまだ完治せず、同じ病気で受診する場合は再診料となる。

風邪などの急病は繰り返しかかっても、新しい風邪をひいていれば毎回初診料で算定できる。逆に、長期的に管理する必要がある病気(アトピー性皮膚炎や気管支喘息など)は毎回再診料を算定する可能性が高い。

何が言いたいか、というと、

「風邪などの急病や予防接種などは365日診療するクリニックで、定期的に診てもらう必要があるアトピー性皮膚炎や気管支喘息などは毎日同じ医師が診察するクリニックへ受診するのが良い」

これは、単価の高い患者は365日診療のクリニックへ。単価の低い患者は昔ながらのクリニックへ行け。ということに他ならない。

そんなことしてたら昔ながらのクリニックは、潰れるよ。こんなことをいかにも正しいことを言ってるよね、というような雰囲気でポストしている小児科医には本当に呆れる。多分、勤務医だと思う。ていうか、勤務医であってくれ。それならまだわかる。自分も勤務医時代は診療報酬のことなんて考えないで仕事してたから。

日本の医者の頭の中はお花畑で、医学的に正しいことをしていれば報酬を得られ、安定した生活を送れるとでも思っているのだろう。そういうのは義務教育内で終えるべき考えなのに。

ちなみに、「じゃあ、開業する時は365日やろう」と思うのも非常に危険。昨今の診療報酬改定の削減度はえげつないから。

これからどんどん診療報酬は下げられる。

そんな中、365日開業して、開業後初回の診療報酬改定で大減点となってみたら・・・普通に潰れる。なんでかっていうと365日診療っていうのは人件費という莫大な事業投資が必要な重装開業。うまく行けば大きなリターンを得られるかもしれないが、リスクが大きく、基本的に巨大資本しか参入できない形態なのだ。

つまり、今後の小児科開業のベストは、365日診療が成立しないぐらい医師数の少ない過疎地域でミニマムに開業するしかない。しかし、少子化の波も止まらないので売上は基本的に尻すぼみ。

小児科医という職業は正直かなり詰んでる。一つ活路を見出せるとしたら、地方に開業して、オンライン診療で都市部の子どもを狙うという手法だ。ただし、ウェブ上の広告費はかなりかかると思われるのでそれは覚悟しておいた方が良い。

開業医って、やっぱり辛い仕事だよな。

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たぬき
釣りが趣味のアラサーです。外房ヒラマサ、サーフ、湾奥シーバス、芦ノ湖のレイクジギングなどなど。好きな言葉は「コスパ最強」。2級小型船舶免許、PADI AOW持ってます^^ twitterもやってます。ぜひフォローしてください^^