マンジャロダイエットに思うこと
Xでマンジャロが話題だ。簡単に流れを話すと、非医療関係者の経営者がクリニックを買収し、オンライン診療でマンジャロを自費で処方する。その際、広告としてインフルエンサーを起用。医療関係者からは医学的な危険性、薬機法違反などの観点から非難の声があがった。
インフルエンサーはあまり理解しないまま広告に関わっていたようで、SNSの反応を見て広告から辞退。マンジャロダイエットを行うオンライン診療ビジネスはそのまま継続されるようだ。
同時期に医師から処方されたマンジャロを他人に売却して収益を得ていた人間が逮捕されたことも報道された。世間から見ればマンジャロという薬のイメージは悪くなってしまっただろう。
私も開業医で、自分のクリニックで自費診療の提供を行っている。自分の中では、自費診療というのは「保険診療で手が届かないところを自費診療でカバーする」ものである。
もちろん、混合診療は禁止されているので、歯科のように保険と自費をうまく組み合わせることはできないし、一度自費診療で治療開始したものを途中から保険診療に切り替えることはできない。色々と制約が多いのも事実だが、それでも保険適用されていない治療を自費診療で提供することができるなら、それは素晴らしいものだと思っている。
今回のマンジャロも世の中に出てきた時に、一般の医者たちの見る目がなさすぎた。もっと、保険診療の医者に自費診療の選択肢としてマンジャロを取り入れて欲しかった。保険診療の医者が手を出さずに、非医療関係の経営者たちが売上重視のマンジャロ外来を開始してしまった。
例えば、マンジャロの添付文書にある適用は2型糖尿病。同じ成分のゼップバウンドの適用は肥満症。(ただし、高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、以下に該当する場合に限る。・BMIが27kg/m2以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する・BMIが35kg/m2以上)
糖尿病専門の医者が、まず保険適用でマンジャロやゼップバウンドを取り扱う。そして、治療目的で来院した患者の中からマンジャロやゼップバウンドを希望したけど保険適用外の人たちに対して、「自費診療の医療ダイエット」としてマンジャロやゼップバウンドを取り扱う。内科、特に糖尿病・内分泌内科の専門医たちがこのようにもっと自費診療に対して積極的に取り組んで、そして専門家主体で適切な管理で利用してほしかった。
まぁもちろん、その辺の嗅覚は一般の経営者たちに我々開業医は絶対に勝てない。あの人種の嗅覚は異常だ。そうやってここまで稼いできた。我々のようにのほほんとなんとなくクリニックを開業して運営してきただけでは決して生き残れないようなサバイバル生活を生き抜いてきた人たちなのだから。
今からでも、マンジャロダイエット外来を保険診療医主体で取り扱って欲しいと思っている。
