私は開業医。仕事は医師としての診療、医療行為である。と言いたいところだが、実際は異なる。医師としての仕事はそこまで難しい対応を求められることは少ない。仕事の中で最も大きな負担となるのは労務である。

そもそも、医師として独立し、開業するというのにじっくり時間を使って診療しなければならないような状態であれば開業などできない。ある程度医師として経験を積み、一般的な診療をこなせるようにならなければ開業などどだい無理なのである。

さて、私のクリニックは数ヶ月前に大きな労務問題を抱えていた。複数スタッフ間でのいざこざととあるスタッフの勤怠態度不良。そしてそれに伴い真面目に働くスタッフへの皺寄せ。労務問題というのはある程度パターンが決まっている。しかし、わかっていても予防も難しい。

予防というか、労務問題は起こるものとして備えるのが重要だと考えている。釣りで言えばライントラブルや根掛かりのようなものである。予備のリーダーを準備しない、予備のルアーを準備しないようでは釣りに行く人としての準備が不足していると言えるだろう。

さて、今回はまだ表面化していない労務である。スタッフの間で軽いいざこざが生じているが、スタッフはまだ院長である私が気がついていることを認識していない。私も別に知りたくなかったのだが、たまたま知ってしまったのだ。これは経営者ではなくても経験したことがある人も多いと思う。

さて、ここから選択肢が複数出てくる。

①問題スタッフに事情聴取する。
②被害を訴えているスタッフに事情聴取する。
③泳がせつつ、問題スタッフの問題行動の証拠を集める。
④まったく関与しない。

細かく言えばもっとたくさん選択肢はあるのだろうが、とりあえずこの辺で止めておく。②は別に意味はないだろう。私に直接言ってこないことから問題スタッフに対して指導を行うのは避けてほしいと言う可能性が高い。①はありだが、問題スタッフの退職リスクを伴う。

これもあるあるだが、能力的に優れている人間が問題スタッフとなってしまう現象。もう少しほかのスタッフが成長するまでは退職せずに残ってほしいとも思う。

そしてもう一つのあるあるが、現場に必要だと思って経営者が思っている人間が辞めた後、びっくりするぐらいなんともない、という現象。まぁ結局代わりの効かない人材などこの世にいないということだ。

③は有力な選択肢となりうるが、協力者を集める必要がある。これは秘密裏に行われるべきなのだが、経営者に対する忠誠心が不足する、あるいは問題スタッフに対するヘイトが不足していると問題スタッフに対して告げ口するリスクがある。経営者に対する忠誠心を確信しているわけでなければヘイトがしっかり溜まる頃合いを見る必要がある。さらに、証拠を集めた後のことも考えねばならない。証拠は集めるだけでは意味がないのだ。証拠を集めた後は本人にその証拠を提示し、問題行動の中止を強く要求しなければならない。まぁ大体のケースでは退職する。

④は今回のケースではありだと考えている。基本的には労務の問題は早め早めに叩くのが吉と考えている。しかし、今回は私が知るはずのない情報なのだ。うっかり、たまたま知ってしまった。そのため、今私が動いてしまうと、「何かあれば動いてくれる。察してくれる」と思われかねない。

さて、この中に答えはあるのか。

おそらく、王道は②→①。(場合によっては②→①→③)

あるいは、もう知ってしまったので②はすっとばして①。(あるいは①→③。しかし、②をスキップしているので③は実施困難)

④は一番ない、かな。もし私が他の院長から相談された場合は④はおすすめしない。やはり労務トラブルは早め早めに対応するのが吉だと思う。

どう? 開業医の頭の中は大体こんな感じで常に動いてる。医療のことなんてこれっぽちもないでしょ?自分の診療科のクリニックレベルの診療はここまでは頭使わない。で、だんだんと診療能力が落ちていくんだろうなぁ・・・

ABOUT ME
たぬき
釣りが趣味のアラサーです。外房ヒラマサ、サーフ、湾奥シーバス、芦ノ湖のレイクジギングなどなど。好きな言葉は「コスパ最強」。2級小型船舶免許、PADI AOW持ってます^^ twitterもやってます。ぜひフォローしてください^^