お局が消える未来はあるのか?
医療業界でよく聞くワードの一つにお局というのがある。ざっくり説明すると、特定のスタッフが他スタッフに対して幅をきかせて院内のルールを無視したり、いじめたり、することだ。
私のクリニックでも、完全にお局というわけではないだろうが、おそらくそうなりつつあるのだろう、という存在はいる。
では、お局は即刻やめさせる必要があるのだろうか。現時点での私の意見は、そうでもない。なぜなら、お局がいなくなったら①残りのスタッフがのびのびしすぎて勤務態度不良につながる可能性、②残りのスタッフから新たなお局が発生する可能性などがあるからだ。
働き蟻の原理などで一定の割合でサボる人間が出たり、成績不良者が出たりするというのはよく聞く話だが、お局までいかなくとも、人間関係で多少の力の強弱で目に見えない上下が生まれるのは絶対に避けられないと考えている。
つまり、お局を排除することは不可能なのだ。
上昇気流が雲となり、雨を降らした後に下降気流となって地面にまた戻ってくる、そして別の空気を押し上げ上昇気流を形成するように、人間は社会の中で循環し、所属する人間関係の中で上下を形成し、立場は時折入れ替わる。
みんな仲良く、風通しの良いというのはあり得ない。
最近はスタッフと向き合うのではなく、スタッフの人間関係、動きは結果として見て、受け入れる。それを動かすための仕組みを作成することに注力している。
人間関係の仕組みづくりはあまり好きではないのだが、AIを利用したシステム作成などは結構好きなので、そこに着目して、自分の好きな分野を活用することで苦手を克服できるように意識している。
この考えに至るまでに開院してからずいぶん時間を要した。オープニングスタッフや開院初期の入職でなければ、うまく自分のクリニックでしばらく勤務できたのではないか、という人材も過去にはいる。
一方、開院初期から残ってくれているメンバーもいるので、やはりそれらの人とは差がついているのだろうなとも思う。
スタッフが働きやすい、というだけでなく、残ってほしい人間が残りたくなるような組織の仕組みを作るのも大事。
こうやってもんもんと考えながら、文章をかたかたうっているとだんだん、自分の作りたい組織の理想像が出来上がってくる。
- 経営者の介入が少なく済む
- 残ってほしい人が自然と残り、残ってほしくない人が自然と去っていく
- 圧倒的な上下関係ができない抑止力を有する
- なだらかな上下関係が形成される
今まで、大学や国家試験などの受験勉強、卒業後の初期研修、専門科を決めた後の後期研修などの人生経験から、学習と経験を積み続けると不要なエッセンスはなくなり、必要なエッセンスだけ残ることを知っている。
開院当初はスタッフの希望、人間関係の改善、などについて頭を悩ませることもあったが、今はそれほど気にしなくなった。経営者とそこで働く人の人間関係というのは不要なエッセンスに感じている。経営者が注力すべきは働く人に与える仕組み、システムだ。その仕組みで働くのが無理なら去ってもらい、別の人に入って貰えば良いのだ。もちろん、自分のところで働いてくれるのであればそれ相応の待遇を準備する必要はあるが。
そして最終的には人間を完全にコントロールするのは無理だから諦める、という思い切りも重要。最終的に事業が回れば問題ない。
まぁなるようになるでしょう。本の続きを読もうかな。
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