ゆとり世代の私はまだまだ道半ばだが、クリニックの出口戦略は考えておかねばならない。

大きく分けると承継か廃院だ。承継は親族に継がせるのか、あるいは第三者継承で売却(いわゆるM&A)するのか。

そして、クリニックを経営していく中で大きな節目となるのが法人化するか否か。医療法人(持分なし、ありに関わらず)になるメリットは正直薄い。内部留保は置いておけないからどんどん個人に移さなければならないのでほとんど税的なメリットはほぼないといっても過言ではない。正直、個人事業主のままの方が手続きは楽だったりするので、このままでも良い気はする。

一方、出口戦略として承継を考慮するなら、それが親族でも第三者でも、法人化しておいた方が良いだろう。

ただ、今まであまり法人化について勉強してこなかった。一度腰をすえて勉強してみても良いのかもしれない。

承継について

承継は大変難しいものだと思っている。特に親族内の承継。

私の周りでも親子での承継に難渋している医者親子は多くいる。中には承継予定で一緒に働き始めたのに親子で仲違いしてしまい、子どもは独立し別のクリニックを開業してしまったというケースみ見聞きする。細かい状況の差はあれど、原因はほぼ「親が仕事から抜けようとしない(できない)」という点にある。

仕事から抜けられない、辞められない理由は色々だろう。子どものやり方が気に食わない、子どもがやるのは不安、自分が辞めた後どうしたら良いかわからない、老後の金銭的な不安、などなど理由なんていくらでも出てくる。もしかしたら、辞めたらどうなるかわからないことが不安なのかもしれない。

自分の子どもは生まれた瞬間から今まで多くの時間を一緒に過ごしてきた仲で、しかも成長すればするほど、離れていく。つまり、未熟だった時の印象が非常に強い。

ただでさえ、自分はすでに引退しようとしているのだからどんなに若くても60代。自分が30~40代だったころと正確に比べられるわけもなく、今まで培った引退時点の技術や知識(医学的なものというよりは労務面が大きいと推察する)と比べてしまい、どうしても未熟に感じるのだろう。

金銭的な課題もある。今の60~80代で計画的に投資、貯蓄を行い、老後の計画を綿密に立てている人は稀だろう。診療報酬が良かった時代に開業しているので、預貯金と不動産で十分な蓄えがある人も多い。しかし、やはり不安は消えない。今まで毎月入ってきたお金がいきなりゼロになる。死ぬまでに十分なお金が預金で手元にあったとしても不安はぬぐえないだろう。

「辞めた後どうしたら良いかわからない」「辞めた後の生活がどうなるかわからないのが不安」結局、これが一番大きいのではないか?今まで医者しかやってこなかった人も多い。中には死ぬまで医者を続けたいと考える人もいるだろう。医者を仕事としてではなく、人生として捉えているタイプの人間だ。しんどく、辛く、嫌なこともたくさんあるけど、医者がすべて。まぁある意味天職だし、そうなれなかった自分としては羨ましくもある。

自分はどうする?

有名俳優の子ども岸谷蘭丸さんがYouTubeで「継げる職業であってほしかった」と語っていた。そういう考えをする人間もいるのか、と思った。確かに、医療法人にしておいて、子どもが医師か歯科医師になれば法人を継ぐことができる。内部留保は莫大にせず、6ヶ月ぐらいのランニングコスト+リニューアル分を残しておけば借金なしで事業をスタートできる。

私は医者家系でもなかったから、継ぐという選択肢はなかった。自分で借金して開業した。自分で借金をしたからこそ、頑張れたというのもあるかもしれない。しかし、親が資産ではなく、法人という箱を継ぐという選択肢を残してくれたら、それは子どもの将来のセーフティネットにもなりうるのではないかと考える。

ここで大事なのは子どもの将来の選択肢の一つとして残すという考えである。子どもが継がない選択をした場合は第三者に承継するか、潰すかしなければならない。絶対にしてはならないのは継ぐことを強制することだ。

また、引退できない爺医にならない予防も大切だということが周囲を見ているとわかる。

まず、老後の資金計画。今のところ広く分散されたインデックスファンドで十分ことたりると考えているが、不動産なども必要になるかもしれない。ただ、老後と考えると手間が少なく、頭を使わずにできることが望ましいだろう。不動産などは結構手間がかかるし、不動産の出口も考えねばならない。インデックスファンドを貯め込み、定率で崩し続ける方が楽な気がしている。

そして、辞めた後どうなるかわからない問題について。

これは人生における医者以外のパーツを充実させることが最も重要だと考えている。私のように魚釣りでも良い。あるいは、他の仕事でも良い。今はITが発達しており、医者の片手間でも十分副業として取り組める仕事がたくさんある。医者を引退した後に、「自分を忙しくする術」を準備するのだ。

などと、色々と考えていると、やはり、医者という仕事が大好きな人に承継は難しいだろうなと思う。医者が生きがいで、趣味で、仕事なのだから。承継は難しくなるかもしれないけど、すばらしい人生だろう。

まぁその場合は子どもに継がせたりせず、子どもは子どもで開業させれば良いだけの話ではあるが、自分が好きな仕事で今まで長年続けてきたクリニックを自分の子どもに継がせたいと思うのだろうか。当事者になってみないとわからないことも多い。

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たぬき
釣りが趣味のアラサーです。外房ヒラマサ、サーフ、湾奥シーバス、芦ノ湖のレイクジギングなどなど。好きな言葉は「コスパ最強」。2級小型船舶免許、PADI AOW持ってます^^ twitterもやってます。ぜひフォローしてください^^